最適なテクニカルの組み合わせ(2)

  1. ホーム > 
  2. 投資・資産運用 > 
  3. FX比較 > 
  4. コラム > 
  5. テクニカル分析を覚えよう! > 
  6. 最適なテクニカルの組み合わせ(2)

2014年12月3日掲載

コラム

最適なテクニカルの組み合わせ(2)

最適なテクニカルの組み合わせ(2) テクニカル指標にはまだまだ多くの種類がありますが、これまで紹介したテクニカル指標の中からいくつかを組み合わせて使うことについて考えてみます。

前回は(1)テクニカル指標を組み合わせることで売買シグナルの出る頻度は少なくなる代わりに、そのシグナルの精度を高めてあげること、(2)エントリー、エグジット、リエントリーといった明確なルールの考え方、そしてそれぞれにおけるテクニカル指標の使い分け、の2つの点について考えました。

今回は、(1)指標を組み合わせ目的に沿ったパラメータに変える手法、(2)MTF(上位時間枠)指標を組み合わせダマシを避ける手法、について考えてみましょう。

(1)目的に沿ったパラメータに変える

年初来高値を更新後のドル円は、押しらしい押しが入らず一直線に円安が進行しています。こうした局面ではオシレータ系の指標では通常のパラメータを使っても売られ過ぎの状態になることはまずありません。ここでは、ワンウェイのマーケットでも押し目を測る手法としてRSIのパラメータを極端に短期化することを考えます。

通常、RSIでは8〜9期間、あるいは14期間といったパラメータが用いられますが、これでは全く目的に沿った使い方は出来ないため、思い切って2〜3期間というパラメータを使うことを考えます。しかし、こうした極端なパラメータを使う場合には、フィルターとして別のテクニカル指標を組み合わせることを考えなくてはなりません。

そこで、トレンドを測るテクニカル指標としてMACD(パラメータは通常の12,26,9期間)のシグナルの傾きを利用してみましょう。MACDシグナルの傾きが上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンドということになります。ドル円日足チャートに、このMACDシグナルと2期間(ピンク)と3期間(水色)のRSIを組み合わせたチャートを御覧ください。

ドル円(日足)チャートとMACDシグナル、2期間と3期間のRSIのイメージ

このチャートで見るべきポイントは、MACDシグナルが上向き(上昇トレンド)の時に、RSIが売られすぎ(売られすぎゾーンからのゾーン・エグジット。ゾーン・エグジットについては第7回を参照)となっているポイントと、RSIがいわゆるZLR(ゼロ・ライン・リジェクト)を起こしているポイントです。

ZLRについては、説明が必要ですね。ZLRとはオシレータ系のチャートにおいて、センターライン(通常0もしくは50。RSIでは50がセンターライン)付近での短期と長期の指標の動きの違いに着目する考え方で、上記チャートでは短期の2期間RSI(ピンク)が大きく下がっているにもかかわらず、長期の3期間RSI(水色)はセンターラインを下回らないか、もしくはわずかに下回って戻す状態を言います。

MACDシグナルが下向き(下降トレンド)の部分はグレーアウトしてありますので、それ以外の部分でゾーン・エグジットとZLRを探します。ゾーン・エグジットは赤い矢印で示した部分で、ZLRは黄緑の四角で囲った部分で発生しています。後者のZLRは今回の買いのケースではピンクのラインが大きく下がっている(30以下が目安)にもかかわらず、水色のラインは下がりきっていない(40以上が目安)状態を示しています。

このように通常は使わない長短期のRSIもフィルターとなる指標を組み合わせてあげることで、今回の目的=一方的な上昇相場で押しを見つける、に沿った使い方が出来るわけです。

FX会社を人気ランキングで比較する

(2)MTF指標の組み合わせ

それでは、チャートを見てみましょう。

MT4ではMTF(上位時間枠)の指標を使うことが出来ますので、例えば日足チャートにおけるテクニカル指標をフィルターとしながら、下位時間枠(トレードするチャート)におけるテクニカル指標で売買タイミングを測るといった利用法が簡単に実現できます。

ここではMTFにおけるMACDシグナルをフィルターとして使う手法を考えてみましょう。MACDのMTF系指標にMTF MACDというカスタム指標がありますので、この指標を用いて日足MACDシグナルをトレード時間枠のチャートに表示します。

次のチャートはドル円1時間足チャートに一目均衡表の転換線(青)と基準線(赤)のみをパラメータを7期間と21期間に変更したものを表示してあります。サブチャートに表示されている階段上のラインが日足ベースのMACDシグナルです。MTF系指標では通常、分ベースでパラメータを指定しますので日足=1440分ということで、1440を期間として設定してあります。計算パラメータは、12,26,9と標準のパラメータを使いました。

ドル円(1時間足)チャートと、一目均衡表の転換線と基準線のイメージ

ここでも、MACDシグナルが上向きの状態を上昇トレンドと判断しますが、表示されているチャート期間では常に上向き=上昇トレンドとなっていますので、転換線と基準線が好転しているところ(いわゆるゴールデンクロス)で買いを考えることとなります。赤い矢印で示した部分がそれに該当することがわかります。

ここでは、上位のMTF指標、下位のトレード指標ともにひとつしか使いませんでしたが、複数の指標を利用したり、エグジットのための指標を組み合わせたりすることも有効な方法です。また一目均衡表も通常はパラメータを変えることは稀ですが、このように転換線と基準線のみを使うといったケースではパラメータを変えてみることも新たな発見につながると思います。色々と試してみることをおすすめします。

今回でテクニカル分析のコラムは終了となります。どちらかというと、初心者よりテクニカル指標の使いこなしに興味を持ち始めた方を念頭においた内容だったと思います。FXで取引を行う際には、ファンダメンタルだけでなく、テクニカル分析を併用することで相場の見通しを立てやすくなると同時に、取引を行う際の明確な指針を与えてくれることは間違いありません。今回のシリーズの内容で、皆様の役に立つ内容がひとつでもあれば、筆者としてはうれしい限りです。

FX会社を人気ランキングで比較する

山中康司氏
山中康司氏
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジテント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析とアストロを組み合わせた独自の為替予測を行ない、各社にレポートを配信。セミナー講師やコンサルティング等もつとめている。

このページの先頭へ