スワップの基本

2015年1月7日掲載

コラム

スワップの基本

スワップの基本 FXで収益を得る際に、売買による差損以外に収入が貰えることがあります。一般には、「スワップ」と呼ばれることが多いですが……。スワップについて基本を解説します。

「スワップ金利」なんて存在しない

よくFXのサイト等で「スワップ金利」という言葉を目にしますが、実際にはそんな金利は存在しません。銀行間にはスワップだけが取引されている市場が、金利をベースに取引が行われる資金市場とは別に存在します。

FXで取引されているのは「金利と裁定される水準で決まっているスワップポイント」であり、金利ではないのです。

「スワップ」って何?

通常FXで取引されているのは直物(スポット)と呼ばれる2営業日後受け渡しの為替レートです。しかし、企業で輸出入を担当されている方ならご存知でしょうが、為替レートには他に先物レートというものが存在します。

例えば、ある会社が1年後にアメリカから鉄鉱石を輸入するとします。1年後にものすごくドルが高くなっていては困るので、状況によってこの会社は1年後に鉄鉱石を買うためのドルの為替レートを「予約」することがあります。

これは通常銀行との間の「為替先物予約」という形で行われます。今、直物レートが100円で、一年先の先物レートが91円82銭だとするとその差の△8円18銭のことを一年の「スワップポイント」もしくは単純に「(為替)スワップ」と呼びます(話を単純化するため、ここでは直物レートが100円、一年物の米ドルの金利が10%、円の金利が1%、売り買いの差や手数料は無いものと仮定しています)。

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「スワップ」はどのように決まる?

スワップのイメージ

この一年先の予約レートはどの銀行にたずねても大体同じ水準を答えてきます。
これは各銀行の為替ディーラーの相場予想が一致しているからなのでしょうか? いいえ違います。これはふたつの通貨の金利を反映しているのです(同様に直物レートが100円、一年物の米ドルの金利が10%、円の金利が1%、売り買いの差や手数料は無いものと仮定します)。

今あなたがもし100万円を持っていたとすると、あなたはこれで1万ドルのドルを買うことができます。円の金利は1%、ドルの金利は10%なのでドルで運用するほうが有利です。一年たてば100万円は101万円にしかなりませんが、1万ドルは10%の金利がついて1万1千ドルに増えます。もし一年後も為替レートが100円のままだったら、1万1千ドルは110万円になるので、誰もが米ドルを買うでしょう。しかしこのままでは、一年後のレートがどうなるか保証はありません。一年後1ドルが80円に下落していたら、せっかく1万1千ドルを受取っても、円に戻すと 11,000×80=88万円にしかならず、元本を減らしてしまうことになります。

ここでもし、1年後にも100円で1万ドルを売る先物予約ができれば、一年後の110万円を確定できるので、みんながその取引を始めるでしょう。その結果先物相場でドルを売る人が増え、買う人が少なくなるのでだんだんドルの先物の値段は下がります。そしてその値段は円で一年間運用した結果の101万円がドルで一年間運用した結果の1万1千ドルと同じになる水準まで止まりません。そこまではドルを今買って先物予約をしたほうが得になるからです。その水準は101万円÷1万1千ドルで約91円82銭となります。逆にこれ以下のレートになると、今度は円のまま置いておいたほうが有利になるので、先物でドルを売る人はいなくなります。

この場合1年のスワップは約△8円18銭となり、これはふたつの通貨の金利差を反映したものとなります。

スワップは二国間の金利差を反映するが……

これは言いかえれば1年後の1万ドルを買う場合には価格100万円の支払い以外に一年後に8万1千8百円のスワップポイントを受取れる(8万1千8百円の割引価格、ディスカウントで買える)ということです。これが為替におけるスワップの概念です。但し、FXの取引においては最初から一年間売買を固定するということはありませんから、これをFXでは通常一営業日単位で行います。翌日売却すればそれで終わり、ポジションを持ち続ければさらに一日分のスワップのやり取りを行うことになります。

このように金利との関係(裁定)が完全に機能していれば、スワップポイントは完全に二国間の金利差を反映します。実際、主要通貨間の取引ではこの裁定はかなり完全に近い形で機能しています。もちろんスワップそのものにも売買差のようなものはありますし、一時的な需給の乱れにより金利と乖離することもあります。

ただ、銀行の円預金や外貨預金の金利はそれ自体が金利市場での取引金利からかなりの手数料を差し引かれた形で個人に適用されますので、現状ではスワップで計算される金利のほうが市場に近い個人に有利な金利となります。たまたま長い期間、円の短期金利がゼロに近い水準で推移していることもあり、FXで高金利通貨を買うと、外貨預金で金利を受取るよりも一般的には有利な金利差分のスワップポイントを受取ることができるのです。
このため、FXをあたかも外貨預金のように利用する手法が広まりました。

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