到達確率を示してくれるピボット

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2014年11月12日掲載

コラム

到達確率を示してくれるピボット

到達確率を示してくれるピボット ピボットは、RSIをはじめ多くのトレーダーに長く愛用されているテクニカル指標を多数開発したワイルダー氏がオリジナルです。もともとリアクション・トレンド・システムと呼ばれ、その名称通り、リアクション(逆張り)モードとトレンド(順張り)モードの2つの売買手法を備えています。

ピボットの元となる考え方とは

一般的にはリアクションモードによる売買手法が知られていますので、詳細はワイルダー氏の原著に譲り、ここでもリアクションモードの使い方を説明します。

まず、ピボットで使われるいくつかの計算ポイントを以下に示します。式の中で、H=前日高値、L=前日安値、C=前日終値を示します。通常の表記方法とは異なりますが、前日のレンジを(H−L)と示すことで、全体の値幅の感覚を掴みやすくなるため、あえてこのような式の書き方をしています。

ピボットで使われる計算ポイントのイメージ

この中で、ワイルダー氏がリアクションモードのエントリーポイントとして示しているのはS1(押し目買い)とR1(戻り売り)です。原著では日柄も含めて複雑なエントリー手法が紹介されていますが、ここでは単純化して日柄は考えないこととします。

  • S1に到達したら押し目買い。利食いターゲットはR1。
  • R1に到達したら戻り売り。利食いターゲットはS1。

このようにS1〜R1の間での値動きを基本として、逆張りによる売買がこのリアクションモードの特徴です。そして、逆張りがワークしなくなる判断ポイントとしてLBOP、HBOPというBOP(Break Out Point、ドテンレベル)が示され、トレンド(順張り)モード入りとなり、その場合はトレーリングストップを続けます。

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ピボットでの売買のポイントとは

これが、ピボットによる売買の概念ですが、ピボットの各レベルは等間隔ではないため、これを使いやすく再構築し、更にサポートとレジスタンスに幅を持たせたものがフィボナッチゾーンです。フィボナッチゾーンは『新マーケットの魔術師』にも登場するロバート・クラウス氏により紹介されました。計算ポイントを示します。

フィボナッチゾーンで使われる計算ポイントのイメージ

フィボナッチゾーンを使った売買手法も基本はピボットと同様ですが、ロバート・クラウス氏は、ジョン・ジャクソン氏により紹介されたジャクソン・ゾーン(ピボットの各ポイントへの到達確率)をこのフィボナッチゾーンに導入し、より高い確度の売買手法へと使い勝手を高めました。到達確率では、フィボナッチゾーンにおける各ポイントを以下のようにより簡潔なものとします。

計算ポイントとゾーンの関係のイメージ

つまり、各ポイントの間をゾーン2〜5として、R2より上は上限なしでゾーン6、S1より下は下限なしでゾーン1とします。

そして到達確率は、前日終値(Close)が何番のゾーンで引け(C1〜C6)、当日始値(Open)が、何番のゾーンで始まった(O1〜O6)のかを、CloseとOpenのゾーンの組み合わせ“O1/C1”〜”O6/C6”までの36通りの組み合わせとし、その36の組み合わせから過去10年間のレートを用いて各ゾーンへの到達確率を統計的に求めるものです。

なお、FXの場合、Openゾーンは(月曜のギャップアップ、ギャップダウンを除いて)3と4に限定することが出来ますので、組み合わせは(C1〜C6)×(O3 or O4)の12通りで考えることとなります。

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実際のチャートでピボットを見てみよう

一例として、8月29日朝のユーロポンドのチャートを使って説明します。

8月29日朝のユーロポンドのチャート

上記チャートの通り、朝の段階で、ユーロポンドのPは0.7950、S1は0.7934、R1は0.7966と示されています。また左上の表が到達確率ですが、ピボット(P)への到達確率が81%とかなり高い確率を示していることがわかります。

つまり、ピボットにおけるリアクションモードのトレード手法を以下のようにアレンジすると高い確率で利益を確定することが出来るであろうという推測が可能です。

「Pに到達する前に」、
S1に到達したら押し目買い。利食いはP、損切りはPへの値幅をエントリーから引く。
R1に到達したら戻り売り。利食いはP、損切りはPへの値幅をエントリーに加える。
 *NYの引けまでに、利食い、損切りともにつかない場合は引けで成り行き決済。

先のチャートで考えると、

0.7950に到達する前に、
0.7934に到達したら押し目買い。利食いは0.7950、損切りは0.7918

(R1はPを超えるので、このチャートでは押し目買いのみがエントリーポイント)

ということになります。結果はS1で買いエントリー、無事にPで利食い後に大きく下落となりましたが、損切りポイントをきちんと定めた上で、確率の高いほうに乗る売買手法は比較的負けにくい手法と言えるでしょう。また、この到達確率を通常のテクニカル分析と組み合わせることも有効な手法です。

なお、今回のチャートのように、ザラ場のチャートに上位時間枠(例えば日足)のテクニカルを表示する方法をMTF(複数時間枠)と呼び、MT4では標準でサポートされています。

一例として、Daily Fibo Pivots(フィボナッチゾーン)というカスタム指標をMT4で表示すると、以下のように表示することが可能です。

MT4でのDaily Fibo Pivots表示

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山中康司氏
山中康司氏
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジテント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析とアストロを組み合わせた独自の為替予測を行ない、各社にレポートを配信。セミナー講師やコンサルティング等もつとめている。

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