FX予想

アセンダント社 山中康司先生による価格.comオリジナル為替週報!

3月20日(月)

FX取引に役に立つマーケット情報の今週の予想と前週のふりかえりをまとめて紹介しています。その他、当週報独自のドル円(日足)チャートや前週の主要通貨ペアレート(週間レンジ)も掲載。FX取引で予想をする参考にしてみてはいかがでしょうか。

今週の予想 -G20を経て円高の流れに-

先週は主要国の一連の金融政策イベントが続きましたが、各イベントとも結果自体はコンセンサス通りであったものの、FOMCではメンバーと市場参加者の思惑とのズレや、英中銀の結果が満場一致では無かったこと等、イベント直後には通貨ごとに一時的な振れが見られました。

最大の注目材料はFOMCであったわけですが、改めて昨年12月と同じ金利見通しが示されたことで、少なくとも6月の会合までは現在の金融政策が継続されることは間違いないところですし、日銀の金融政策は当面変化が見込まれないことから、円相場という観点では金融政策から離れ他の材料を探す流れへと変化しつつある段階と言えます。

そうした中、もうひとつの注目材料となっていたG20が17・18日に開催され、米国のムニューシン財務長官としては初の公式会合デビューということ、また麻生財務相との日米財務相会合が行われることも為替関係者を神経質にさせる材料となり先週末のドルの上値が重たかった理由のひとつとなりました。

今週はこのG20に絡んでの個人的な思惑を書いていきます。

まず、金曜NY市場で出た日米財務相会合の内容ですが、為替相場に関して新しい話は出なかったものの「これまでのG7、G20での合意内容を維持する」ことの確認がされています。これまでの合意内容としては、「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは悪影響があること」、「為替市場に関して緊密に協議すること」、「通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために為替レートを目標とはしないこと」というところが柱であり、今回のG20でも踏襲されました。

次にG20での米国の主張ですが、これはトランプ政権の米国第一主義を色濃く反映し「保護主義に反対する」という一文が削除されました。ムニューシン財務長官も為替よりもこの通商政策の部分に言及し「過去の声明は必ずしも適切ではない」と保護主義に反対という文言を削除したことについて米国の立場を鮮明にしています。この点はトランプ大統領がこれまで発言してきたことを重ねると、中国を筆頭に米国の貿易赤字の原因となっている国に対しては今後あらゆる手段を取ってくる可能性があり、それは為替調整も例外では無いと考えておいた方が後々驚かないで済みます。

今回のG20は米国新生世間にとってはデビュー戦であり、今回は議長国のドイツが米国に花を持たせた結果となりましたが、おそらく米国はこの結果に気を良くし7月のG20サミットに向け色々な要求が突きつけようと今後も動いてくるリスクがあります。あまりに米国第一主義を貫くとG20では19対1となってしまいますが、外圧に弱そうな日本をターゲットにすることで米国内(米国民、議会)への成果作りを水面下で算段しているに違いないと思っています。

金曜の日米財務相会合も表向きの発表は穏やかなものとなっていますが、前に麻生財務相が120円発言をした時と同様に、何かオフレコでの話があった可能性も考え、当面は円高バイアスがシナリオを立てる際に常に考えるべき重要な要素となってくると見ています。

日足チャートをご覧ください。

1月12日以降2か月以上に渡って111円台半ばと115円台半ばとの4円レンジ(黄色のラインマーカー)の中での上下を繰り返す動きを続けていますが、直近のところではこのレンジの下限を試したいと思わせる動きとなってきました。そして、ここまで書いてきたように米国のわがままとも言える米国第一主義に為替市場も翻弄されるかもしれないリスクが出てきたわけです。

為替市場は実際に問題が起きなくてもその可能性で動くことがしばしばあり、そうなると仮に円高の動きが始まった時にどこまで下押しする可能性があるのかを考えておく必要があります。大きくは大統領選開票日の安値101.20から昨年12月高値118.66の半値押しにあたる109.93、大きくは110円の大台が大きなターゲットとなります。

また、もう少し手前の水準では12月高値118.66を起点に、2月安値111.60までの押し、その後の3月高値115.50までの戻しを逆N波のフィボナッチ・エクスパンションの各計算ポイントと考えると50%のエクスパンションが111.99とこれは2月安値よりは上の水準ですが、61.8%は111.66ですし、78.6%(61.8%の平方根)は109.96とこれは先ほどの大きなターゲットとほぼ一致しています。

今週とは思いませんが、3月期末あるいは新年度入りした4月早々にでも110円の大台近辺をトライしに行ってもおかしくはないと見ています。今週のドル円は、引き続きドルの上値が重たい展開を考え111.00レベルをサポートに、113.50レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

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FX週報の注意

・前週主要レート(週間レンジ)
表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。10年債先物(JGB)は大証の公表値。
・その他
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