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戻りは鈍く緩やかな円高を継続(2017年4月17日)

アセンダント社 山中康司先生による価格.comオリジナル為替週報!

2017年4月17日

FX取引に役に立つマーケット情報の今週の予想と前週のふりかえりをまとめて紹介しています。その他、当週報独自のドル円(日足)チャートや前週の主要通貨ペアレート(週間レンジ)も掲載。FX取引で予想をする参考にしてみてはいかがでしょうか。

今週の予想 -戻りは鈍く緩やかな円高を継続-

先週は思いのほか早い展開で円高が進行することとなりました。先週初に予想を立てた段階では、しばらく110円の大台を維持し時間をかけて中期的なターゲットとなっていた108.84レベル(2016年安値と同12月高値の半値押し)をトライする展開を見ていましたが、北朝鮮を中心とする地政学的リスクが引き金となり、先週の内に同ターゲットを達成し、週明けも更に円高が進む展開となっています。

北朝鮮に関しては緊張が高まっている段階では株安、円高とリスクオフの流れというのがコンセンサスとなっていて実際にそうした動きを続けている訳ですが、万が一北朝鮮が暴走しそれに対して米国が対応するといった非常事態となった場合には韓国と日本に関してはトリプル安のリスクがあると見ています。やはり海外の投資家から見た場合、北朝鮮から至近の両国の資産は安全資産とは見られず、とりあえずは売りに回る可能性のほうが高いという理由からです。仮に私がその立場にいたならば、円を売って金を買うか、あるいは同じ低金利通貨であるならばスイスフランを買う方が理にかなっているのではないかと思います。

北朝鮮以外では、米国財務省による半期に一度の為替報告書も公表されました。中国は為替操作国には認定されず、監視リストには中国、日本、韓国、台湾の極東4カ国とドイツ、スイスの欧州2カ国、これらの6カ国は昨年10月から変化は無く、想定の範囲内であったと関係各国は胸をなでおろしているところです。しかし、トランプ大統領は大統領令で対米貿易黒字国の調査を命じていて、これら6カ国の中国、日本、ドイツをターゲットとしていることを考えると通商面から来る為替調整の懸念は残っています。特に今週は18・19日に麻生財務相とペンス副大統領による日米経済対話が予定されていて、麻生財務相が(わざと?)口を滑らせた120円という水準が円相場の上限として水面下で決められるリスクは考えておく必要があります。

今年のこれまでのドル高値は1月につけた118.60ですが、今までも最も値幅の少なかった2015年での10円強の値幅があり、通常の年ではもっと動きがあることを考えると、既に今年のドル高値を見たという前提で考えても下限は103円〜105円程度は余裕を見ておく必要がありそうです。長期のターゲットについては先週木曜のFX羅針盤コラムに示しましたが「次の動きとして106円台半ば、105円台前半という水準を意識しておく必要」があり、今後の展開次第では更なる円高の動きは考えておくべきでしょう。

もう少し近いところで日足チャートもご覧ください。昨年のトランプ大統領誕生後の安値と高値の61.8%押しにあたる107.87という水準があり、現在のドル円はこの107円台後半を試しやすい地合いになっているといえます。

今週末にはフランスの第1回大統領選投票があり、こちらも過半数を取る候補者はいないでしょうから5月の決選投票まで材料的には先延ばしですが、思惑からユーロに動きが出て来るとユーロ円からドル円への影響といったことも考えておく必要があるかもしれません。いずれにしても引き続きドル円は上値の重たい展開を辿りやすく、今週も戻り売りの週となりそうです。

今週はここまでの円高進行が速かったことと、懸念はあるもののいったん北朝鮮リスクが落ち着いていることから若干のペースダウンを予想し、107.50レベルをサポートに、109.50レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
4月17日(月)
**:** 東京、NYを除いた主要市場休場(イースター)
11:00 中国1〜3月期GDP
11:00 中国3月鉱工業生産、小売売上高
11:00 黒田日銀総裁挨拶
16:00 トルコ1月失業率
**:** 今週も米銀決算発表が続く
21:30 米国4月NY連銀製造業景況指数
23:00 米国4月NAHB住宅市場指数
4月18日(火)
06:00 フィッシャーFRB副議長講演
10:30 豪中銀理事会(4日)議事録公表
21:30 米国3月住宅着工、建設許可件数
22:00 (カンザスシティ連銀総裁講演)
22:15 米国3月鉱工業生産、設備稼働率
**:** 日米経済対話(〜19日)
4月19日(水)
17:00 南ア3月CPI
18:00 ユーロ圏2月貿易収支
18:00 ユーロ圏3月CPI確報値
21:00 クーレECB理事講演
23:30 プラートECB理事講演
23:30 米国週間原油在庫
25:00 (ボストン連銀総裁講演)
27:00 ベージュブック
4月20日(木)
**:** G20(〜21日)
07:45 NZ1〜3月期CPI
08:50 本邦3月貿易収支
10:30 豪州1〜3月期NAB企業信頼感指数
19:30 英中銀総裁講演
21:00 パウエルFRB理事講演
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国3月フィラデルフィア連銀製造業指数
23:00 米国3月景気先行指数
23:00 ユーロ圏4月消費者信頼感速報値
4月21日(金)
16:00 フランス4月製造業・サービス業PMI速報値
16:30 ドイツ4月製造業・サービス業PMI速報値
17:00 ユーロ圏4月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 英国3月小売売上高
22:30 ミネアポリス連銀総裁講演
22:45 米国4月MarkIt製造業・サービス業PMI速報値
23:00 米国3月中古住宅販売件数
4月23日(日)
**:** フランス大統領選第1回投票

前週の主要レート(週間レンジ)

始値 高値 安値 終値
ドル円 111.22 111.59 108.55 108.62
ユーロ円 117.68 118.07 115.21 115.30
ユーロドル 1.0581 1.0677 1.0570 1.0612
日経平均 18800.22 18850.80 18285.73 18335.63

前週のふりかえり

  • ・4月10日(月) 週明けの東京市場では金曜雇用統計後のドル買い戻しの流れを受けドル買いが先行。その後仲値のドル買いも重なり111.58レベルの高値をつけたものの、111円台半ばよりも上の水準では売りオーダーも重なり失速、海外市場に移ってからの戻しも鈍く目立った材料が無い中でじり安の展開を辿りました。NY引け間際のイエレン議長講演はどちらかというとハト派的な印象でしたが、特に材料とはならず金曜東京朝方の水準での引けとなりました。ユーロドルは狭い値幅で一日通して40ポイント未満のレンジ、結果としてユーロ円が売られて引けました。
  • ・4月11日(火)円高が進みました。米軍によるシリア空爆以降、リスクオフを意識した展開となっています。朝鮮半島の緊張は、株安はコンセンサスとしても為替については、円売りで反応する可能性と、国内外とも投資家は円売りポジションを膨らませているためリスクオフのポジション縮小から円買いで反応する可能性とが考えられます。現状では後者の見方のほうが主流となっている様子ですが、結局は大口の投機筋がどう動くかにかかっているとも言え、引き続き何が起きてもいい対応を迫られている状況となってきました。
  • ・4月12日(水)前日に110円の大台を割り込み、いったん様子見姿勢が強まる中、地政学的なリスクを除いて目立った材料が無かったこともあってNY後場までは109円台半ばの狭いレンジでのもみあいを続けていました。しかし上値が重く安値を更新する動きが出始めたところに飛び出したのがトランプ大統領のドル高牽制発言。これまでも貿易黒字国の通貨安には否定的な発言をしてきましたが、トランプ政権としてはムニューシン財務長官の発言にもあったように、長期的にはドル高は米国の国益という立場を変えてはいませんでした。しかし、大統領の発言は長期的にもドル高に否定的な見方をしていると取れ、一気にドル安が進みドル円は109円割れ、ユーロドルも1.06台半ばへと上伸しドル安値圏での引けとなりました。
  • ・4月13日(木)東京市場では引き続き地政学的なリスクを懸念して株式市場、為替市場ともリスクオフの動きとなり、仲値過ぎには108.73レベルまで水準を切り下げました。その後は、株式市場が下げ止まったことや本日から欧米の主要市場がイースター休暇で休場となるため、すっかり様子見となり109円前後の狭い値幅での取引に終始しました。いっぽうユーロドルは、欧州勢が来るまでは前日高値圏でのもみあいを続け、一時1.0678レベルの高値をつけたものの後が続かず反落。NY市場では強めの経済指標に反応してドル買い・ユーロ売りの動きとなり、前日買われる前の水準に押して引けました。
  • ・4月14日(金)金曜は東京を除いた主要市場がイースター(グッドフライデー)で休場となる中、基本的に様子見姿勢が強かったものの15日の北朝鮮の式典(金日成生誕105年)を前にリスクオフの流れが継続しました。後場には再び108円台へと入り込み、そのまま上値の重たい地合いのままNY市場入り、取引所(株式、債券、商品)が休場となる中で為替市場も参加者が少なく、序盤の弱い経済指標でドル売りの動きの後は、ほとんど動意の無いままに週末のクローズとなりました。

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。

ドル円(日足)チャート

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FX週報の注意

・前週主要レート(週間レンジ)
上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。10年債先物(JGB)は大証の公表値。
・その他
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