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年初来安値更新で流れは下に確定(2017年9月11日)

アセンダント社 山中康司先生による価格.comオリジナル為替週報!

2017年9月11日

FX取引に役に立つマーケット情報の今週の予想と前週のふりかえりをまとめて紹介しています。その他、当週報独自のドル円(日足)チャートや前週の主要通貨ペアレート(週間レンジ)も掲載。FX取引で予想をする参考にしてみてはいかがでしょうか。

今週の予想 -年初来安値更新で流れは下に確定-

先週のドル円はリスクオフ、FRB関連のニュース、そしてECB理事会と主要通貨ではリスクオフの円買い、米国金融政策絡みでのドル売り、ECB金融緩和縮小期待によるユーロ買いと、ドル円の売りとユーロドルの買いとが双方でドル安の流れを形成した一週間となりました。

ドル円では前週末の北朝鮮核実験と先週末建国記念日とが材料とされましたが、後者は何事も無く通過したため、週明けの東京市場ではリスクオフの巻き返しが目立ち、金曜NY安値からは1円以上もの反発を見せています。しかし、北朝鮮建国記念日の声明では米国の制裁強化決議案採決に向け「いかなる最終手段も辞さない準備ができている」と述べていることから、今後もミサイル発射や核実験は継続される可能性が高く、リスクオフの地合いに大きな変化は無いものと見るべきです。

また、時間が経過すればするほど開発技術など北朝鮮にとって利する方向にしか働かないことを考えると、中ロの仲介結果が出るまで米国としてはどのくらい待てるのかも気になります。前に予想されていたより技術力も開発スピードも格段に上で、今のままだと来年には米国本土へと到達するまで技術を高めて来る可能性があります。その改良ICBMに先日の核実験を行った水爆(広島で使用された原爆の10倍)でも搭載したらと考えると米国のみならず全世界の脅威としか言えません。

さて、今週ですがドルの材料的には細かな経済指標が続く程度で、これらをもって12月のFOMCで利上げがあるかどうかの判断補強材料とはなりませんし、個人的にはよほどのことが無い限り12月に年内3度目の利上げを行うというのは既定路線であると思います。直近のFRB関係者の発言は総じてハト派メンバーの発言ですし、雇用についてはすでに長期的に安定、いっぽう物価の上昇については現状の数字では満足できないとの見方もあるでしょうが、それだけが利上げの材料ではありませんので、ハト派にぶれ過ぎることには注意が必要であると思います。

次に、テクニカルな観点から。日足チャートをご覧ください。

年初来安値を更新し、金曜には107.32レベルの安値をつけましたが、やや中途半端で達成感に欠けるレートという印象です。先週末のFX羅針盤のコラムでも書いたように、近いところで2016年安値99.02と同高値118.66との61.8%押し106.52があり、現在は同水準(ピンクの水平線)をターゲットにしていると考えられます。また、2016年末の高値118.66を起点に、4月安値108.14までの下げ、その後の7月高値114.50までの戻しを逆N波動と捉え、そこから計算される78.6%(61.8%の平方根)押しが106.22(青い線)と、これもかなり近い水準にあります。

さらに、7月高値と8月末高値110.67を結んだレジスタンスラインと、それに平行に引いたラインとで作られる下降チャンネル(赤い平行線)をイメージすると、ちょうど今週末あたりに上記フィボナッチエクスパンションのターゲットと下降チャンネルとが重なる位置に来ることがわかり、106円台半ばから前半を最初のターゲットとしつつ、105円台を視野に入れ始めたというのがテクニカルな観点からの見方となります。

なお、戻りの限界点としてはこれまで何度も試してきた108円台半ばから後半(黄色のラインマーカー)が考えられますので、今週もドルの上値が重たく戻り売りが出やすい一週間を想定し、106.50レベルをサポートに、108.70レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
9月11日(月)
16:00 トルコ4〜6月期GDP
9月12日(火)
10:30 豪州8月NAB企業景況感
17:30 英国8月CPI、PPI
22:45 コンスタンシオECB副総裁講演
9月13日(水)
15:00 ドイツ8月CPI確報値
17:30 英国8月失業率
18:00 ユーロ圏7月鉱工業生産
20:00 南ア7月小売売上高
21:30 米国8月PPI
23:30 米国週間原油在庫
9月14日(木)
10:30 豪州8月失業率
11:00 中国8月小売売上高、鉱工業生産
16:30 スイス中銀政策金利発表
17:00 南ア4〜6月期経常収支
20:00 英中銀MPC結果発表
20:00 トルコ中銀政策金利発表
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国8月CPI
24:30 ドイツ連銀総裁講演
25:00 メルシュECB理事講演
9月15日(金)
07:30 NZ8月企業景況感
16:00 トルコ6月失業率
17:15 ラウテンシュレーガーECB理事講演
17:50 ブリハ英中銀委員講演
18:00 ユーロ圏7月貿易収支
21:30 米国9月NY連銀製造業景況指数
21:30 米国8月小売売上高
22:15 米国8月鉱工業生産、節義稼働率
23:00 米国9月ミシガン大消費者信頼感指数速報値
23:00 米国7月企業在庫

前週の主要レート(週間レンジ)

始値 高値 安値 終値
ドル円 109.81 109.93 107.32 107.83
ユーロ円 130.47 131.09 129.36 129.75
ユーロドル 1.1882 1.2092 1.1868 1.2032
日経平均 19615.96 19628.40 19239.52 19274.82

前週のふりかえり

  • ・9月4日(月) 週明けの早朝市場では、週末に行われた北朝鮮核実験のニュースから全面的にリスクオフの動きとなり、ドル円は場外乱闘気味に109.23レベルの安値をつけました。通常取引時間(午前6時)以降は急速に買い戻しが入り仲値前には109.93レベルまで水準を上げたものの110円の大台には届かず再び円高の流れに。後場には109.38レベルへと早朝の安値に近づく場面も見られましたが、その後はNY市場が休場となることもあって様子見の状態が続き、109.72レベルと東京後場以降のドル高値での引けとなりました。
  • ・9月5日(火)東京市場は北朝鮮がミサイルを移動させているとのニュースに嫌気してリスクオフのスタート、株安、円高の動きとなりドル円は前日安値を割り込み109.20レベルまで水準を下げました。午後に入るとリスクオフの動きも一巡し、株も為替も調整が入りましたが、海外市場に移り再びリスクオフを懸念した動きが再開しました。NY市場に入りブレイナードFRB理事がインフレが軌道に乗るまでは利上げに慎重と発言したことからドル売りの動きとなり、さらにNYダウが大幅安となったことからドル円は円買いとドル売りとが重なって108.63レベルの安値をつけ上値の重たい地合いでの引けとなりました。
  • ・9月6日(水)朝方こそ前日の流れを受けドルの上値が重たいスタートを切りましたが、108.50では買いオーダーが並んでいるとの噂通り、108.50をトライしきれないまま欧州市場入り。欧州市場序盤に買いオーダーをこなし108.45レベルの安値を付けたものの実需の買いに対する短期筋の売り疲れも見られ、その後はじり高の展開となりました。NY市場に入ると109.18まで高値を伸ばしましたが、フィッシャーFRB議長が10月に辞任するとのニュースが流れ反落、108.71レベルまで押したところで今度は連保債務上限引き上げ合意と、トランプ大統領の北朝鮮に対する軍事行動に対して慎重な発言から一転買い戻しの動き。ドル円は109.40レベルと高値を切り上げた後に若干押して引けました。
  • ・9月7日(木)東京市場のドル円は前日に買い戻された反動もあり上値が重たい展開となりました。引き続き北朝鮮問題に伴う地政学リスクがドル円での円買い材料とされていることと、ECB理事会においてテーパリングに言及する可能性からユーロ高がドル売りにつながるとの思惑もドルの上値を重たくしていた印象です。その後もドル円はじり安の展開を辿り、NY市場に入ってからはユーロ高につられてドル安が強まり前日安値を下回ると一気に108.05レベルと年初来安値を更新する動きとなりました。引けにかけても戻しは弱く円一段高を試しやすい地合いで引けました。
  • ・9月8日(金)前日の流れを継続して東京市場もドル売りが先行してのスタートとなりました。北朝鮮の建国記念日が週末にあることからリスクオフの円買いに加え、米国のハリケーン被害拡大からのドル売りも重なっていました。後場に入り108円台を割り込むとストップオーダーや新規の仕掛け売りも巻き込みながらNY市場の朝方には安値107.32レベルまで下値を広げ、その後は短期筋の利食いも見られやや戻しての引けとなりました。

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。

ドル円(日足)チャート

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FX週報の注意

・前週主要レート(週間レンジ)
上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。10年債先物(JGB)は大証の公表値。
・その他
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