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今週も方向感は出ず(2017年10月10日)

アセンダント社 山中康司先生による価格.comオリジナル為替週報!

2017年10月10日

FX取引に役に立つマーケット情報の今週の予想と前週のふりかえりをまとめて紹介しています。その他、当週報独自のドル円(日足)チャートや前週の主要通貨ペアレート(週間レンジ)も掲載。FX取引で予想をする参考にしてみてはいかがでしょうか。

今週の予想 -今週も方向感は出ず-

先週は、112円台前半は買い、113円台前半は売りとまったく方向感の無い展開が一週間続きました。雇用統計直後の振れを入れても週間レンジはわずか1円13銭と最近としてもかなり少ない値幅の週となりました。

材料的には、強い米国株、利上げ思惑に支えられた米金利の動き、ドイツとスペインの政治材料によるユーロ売りがドル買い材料となり、北朝鮮の労働党創建記念日に向けての米朝双方の動向に対する懸念がドル売り材料とされていましたが、どちらかというとドル買い材料が多く週末に発表された3日時点のシカゴのポジションも前週に比べて円売りが増えていました。

さて、雇用統計ではNFP(非農業部門雇用者数)2010年9月以来7年ぶりのマイナスとなりました。市場参加者はハリケーンによる一時的な現象と考え、失業率自体の低下(4.2%)、平均時給の伸び(0.5%、年率2.9%)を重視しドル買いへと反応しましたが、12月の利上げは既に織り込み済みであり、一時的とは言え大きくドル買いに反応したのは正直驚きでした。

雇用統計に合わせて、会場で数字についての解説と相場観(113円台前半から半ばは売り、ストップは60か70)と言ったところ、なかなか下がらずに首をかしげてしまいましたが、雇用統計の数字で上がったところで売りを考えたことには、もうひとつ理由があります。過去にも何度か触れたことがありますが、米国雇用統計に前後して、ドルが高値をつける傾向がしばしば見られるというアノマリーです。今回も雇用統計直後の113.44が短期的な高値となった可能性は高いものと考えています。

また、NFPのマイナスはハリケーンの影響とはいえ、かなりインパクトがある数字であったと思いますが、米国において失業率4.2%という数字は事実上の完全雇用状態と考えられ、そうした環境下において今後のNFPの伸びは鈍化してくると考えられます。各月の数字でなく、前年との比較で考えた場合には既に2015年第1四半期をピークに増加率は緩やかに減少を続けていて、今後の数字がプラスである限りは一桁(+10万人未満)の数字が出ても驚くべきではありませんし、逆に雇用統計の数字はもはや米国の利上げに影響を与える数字ではなくなりつつあると言えるでしょう。

過去にも米国の経済指標はその時々で注目を集めるテーマが異なりましたので、今後は雇用から物価上昇の指針となるCPIであるとか、別の経済指標へと注目が遷移するのではないかと考えられます。

さて、今週ですが10日が北朝鮮の記念日、そしてカタルーニャ州議会とまずは週初にリスクオフに繋がりやすいイベントがあります。また週を通してFOMC関係者の講演が多いのですが、現状では12月の利上げはほぼFRBが思う通りに実施される可能性が高いことを考えるとこれらはよほどハト派な発言でない限り影響は少ないでしょう。そして週後半にはG20がありますが、これも為替がテーマになるとも思えず、無風通過であると言えそうです。

テクニカルにはどうでしょうか。こちらも目立った変化は無く、7月高値と9月安値の78.6%(61.8%の平方根)戻しにあたる112.96(赤のライン、以下同)、そして昨年12月高値と9月安値の半値戻し112.99(緑のライン、以下同)がいまだ効いていると考えています。つまり、雇用統計直後に振れたものの113円前後は調整が入りやすい水準で、7月高値114.50はまだまだ遠いと考えられます。

今週も、あまり大きな動きは期待できそうもありませんので、112.00レベルをサポートに、113.40レベルをレジスタンスと、先週末終値を挟んで方向感のはっきりしない流れを見ておきます。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
10月9日(月)
**:** 東京、NY市場休場
10:45 中国9月MarkItサービス業PMI
15:00 ドイツ8月鉱工業生産
16:45 メルシュECB理事講演
25:00 ラウテンシュレーガーECB専務理事講演
**:** ユーロ圏財務相会議(〜10日)
10月10日(火)
**:** 北調整労働党創建記念日
08:50 本邦8月貿易収支
09:30 黒田日銀総裁講演
09:30 豪州9月NAB企業信頼感
17:30 英国8月鉱工業生産、貿易収支
23:00 ミネアポリス連銀総裁講演
27:00 カナダ中銀総裁講演
**:** カタルーニャ州議会独立宣言(予定)
10月11日(水)
09:00 ダラス連銀総裁講演
20:15 シカゴ連銀総裁講演
23:30 米国週間原油在庫
27:00 FOMC(9月20日)議事録公表
27:40 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
27:50 プラートECB理事講演
10月12日(木)
15:45 フランス9月CPI
18:00 ユーロ圏8月鉱工業生産
20:00 南ア8月製造業生産
**:** 本日より米銀7〜9月期決算発表続く
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国9月PPI
23:15 ドラギECB総裁講演
23:15 ブレイナードFRB理事講演
23:30 パウエルFRB理事講演
**:** G20(〜13日)
10月13日(金)
06:30 NZ9月企業景況感
09:30 豪中銀金融安定化報告公表
**:** 中国9月貿易収支
15:00 ドイツ9月CPI確報値
21:30 米国9月CPI、小売売上高
23:00 米国10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値
23:00 米国8月企業在庫
23:25 シカゴ連銀総裁講演
24:30 ダラス連銀総裁講演
26:00 パウエルFRB理事講演

前週の主要レート(週間レンジ)

始値 高値 安値 終値
ドル円 112.66 113.44 112.31 112.65
ユーロ円 133.03 133.07 131.84 132.20
ユーロドル 1.1807 1.1808 1.1669 1.1734
日経平均 20400.51 20721.15 20363.28 20690.71

前週のふりかえり

  • ・10月2日(月) 東京市場では予想よりも強い日銀短観の結果を株式市場が好感し、日経平均株価は東京大引けまでじり高の展開を辿りました。ドル円も株式市場を横目で見つつ、スペインのカタルーニャ独立問題を嫌気したユーロ売りに引っ張られてのドル買いとなりましたが、113円台では戻り売りを考える向きも多く反転。海外市場では112円台半ばまで下押しし、引けにかけては史上最高値を更新したNYダウにも支えられ、やや買い戻されての引けとなりました。
  • ・10月3日(火)東京市場では前日同様に株高とユーロ安に支えられてドル円が上昇、後場には113.20レベルと前週高値圏に迫る勢いとなりました。しかし、113円台では引き続き売りオーダーが見える中を反落、ドル円は高値圏でのもみあいとなり、NY市場では引けにかけて利食い主導でじり安と、あまり目立った材料が無い中で円安トライが失敗しての引けとなりました。
  • ・10月4日(水)東京市場では米金利の低下によるドル売りの動きがきっかけとなり上値の重たい展開が続きました。海外市場に移ってからも目立った材料が無い中でじり安の動きとなり、NY市場の朝方には112.32レベルまで水準を切り下げました。ADP全国雇用者数は予想通りの数字だったもののISM非製造業景況指数が予想よりもかなり強い数字だったことからドル買いへと反転、112.94レベルまで日中高値を更新したものの113円台には届かず、引けにかけてはやや押す動きとなりました。
  • ・10月5日(木)東京市場では動意薄だったものの欧州市場に入り、英国メイ首相辞任の噂からユーロポンドが上昇し、ユーロドルでのユーロ買いの動きがドル売り円買いの動きとなりましたが、その後辞任の噂は否定されドル円も反転。NY市場では米金利上昇と米株高に支えられドル買いが強まる展開、値幅自体は狭かったものの雇用統計を控えて行って来いでのクローズとなりました。
  • ・10月6日(金)米国雇用統計を前に様子見を決めこむ参加者が多い中、米金利が底堅い動きとなっていたこともあってドルが底堅い動きを示しました。雇用統計はNFPが2010年9月以来のマイナスと予想よりも大幅に悪い数字となっていたものの、それ以外の数字が失業率も含め軒並み強い数字となったことからハリケーンの影響の一言で片づけられ、ドル円は113.44レベルまでドルが急騰。しかし後場に入ると、10日の労働党創建記念日に対する警戒感や週末のポジション調整も入り、東京市場よりドル安水準での週末クローズとなりました。

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。

ドル円(日足)チャート

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FX週報の注意

・前週主要レート(週間レンジ)
上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。10年債先物(JGB)は大証の公表値。
・その他
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