2018年3月6日掲載
入門ガイド
FXの始め方!初心者は少額資金から始めよう

FX(外国為替証拠金取引)は、外国通貨を売買して稼ぐ取引です。証拠金というお金を担保に、その何倍もの大きな金額で売買できます。もうけが大きくなる分、損も膨らむ可能性があり、FX初心者にとっては基本的な知識をしっかり身に付けることが不可欠です。
ここでは、FXを始めるにあたって最低限理解しておきたい、FXの知識や取引手法などについて解説します。
FXを始めるには「資金」と「口座」と「知識」が必要
FX(外国為替証拠金取引)を始めるためには、まず一定の「資金」を担保として預け入れる必要があります。担保にする資金のことを「証拠金(または保証金)」といい、この証拠金を元手に取引をします。
FXをするためには、「口座」を開設しなければなりません。口座開設にあたって面倒な手続きは一切なく、インターネットから簡単に申し込みが可能で、申し込んでから2〜3営業日で口座開設できます。
口座開設後、担保となる証拠金を入金すればすぐにFXを始められますが、利益を上げるためにはFXに関する「知識」を身に付けなければなりません。何の知識もなく、直感だけで取引しても、あっという間に資金を減らすだけです。
インターネット上にはFXに関する情報があふれ、書籍もたくさん発売されており、学ぶ環境は以前より格段に整っています。初心者に高度な知識は必要ありません。まずは基本的な知識を身に付け、その知識をもとに経験を積み、FXで勝てるトレーダーを目指しましょう。
資金はどの程度必要?
FXには、少ない資金を元手に大きな金額の取引を可能にする仕組みがあり、5万円〜10万円ぐらいの資金から始められます。この仕組みのことを「レバレッジ」といい、レバレッジを利用すれば預け入れた証拠金の何倍もの取引が可能です(2018年1月時点で最大25倍まで)。
1ドル=100円のときに外貨預金で1,000ドル預金する場合、必要な金額は10万円ですが、同じようにFXで10万円を証拠金として取引する場合、レバレッジを10倍にして取引すれば、
10万円 × 10倍 = 100万円
つまり、1万ドル取引できます。先ほどの外貨預金の例と同じように1,000ドルの取引をする場合、レバレッジが10倍であれば証拠金として必要なお金は1万円で済み、効率良く取引できます。
また、これまでFXの取引単位は1万通貨が一般的でしたが、最近では1,000通貨で取引できるようになりました。なお、最小取引単位はFX会社によって異なり、1,000通貨で取引できないところもあるため注意が必要です。
FX各社の最小取引単位は以下のとおりです。
FX口座(会社名) | 最小取引単位 |
---|---|
ライブスターFX(SBIネオトレード証券) | 1万通貨 |
アイネットFX(アイネット証券) | 1万通貨 |
FXネオ(GMOクリック証券) | 1,000通貨 |
LION FX(ヒロセ通商) | 1,000通貨 |
FXブロードネット(FXブロードネット) | 1,000通貨 |
外貨ネクストネオ(外為どっとコム) | 1,000通貨 |
外貨ex (外貨ex byGMO) | 1,000通貨 |
楽天FX(楽天証券) | 1,000通貨 |
外為オンライン(外為オンライン) | 1,000通貨 |
FXダイレクトプラス(セントラル短資FX) | 1,000通貨 |
選べる外貨(FXプライムbyGMO) | 1,000通貨 |
FX PLUS(マネックス証券) | 1,000通貨 |
トライオートFX(インヴァスト証券) | 1,000通貨 |
MATRIX TRADER(JFX) | 1,000通貨 |
みんなのFX(トレイダーズ証券) | 1,000通貨 |
岡三アクティブFX(岡三証券「岡三オンライン」) | 1,000通貨 |
ひまわりFX(ひまわり証券) | 1,000通貨 |
SBI FXトレード(SBI FXトレード) | 1通貨 |
2023年2月6日時点
たとえば、1ドル=100円のときにレバレッジ25倍で最小取引単位が1万通貨でドルを購入する場合、4万円が必要になりますが、1,000通貨ならば、さらに投資金額を抑えることができ、わずか4,000円の証拠金で取引が可能です。
このように、最低取引単位が小さく、レバレッジを使えば少ない資金で取引できます。まずはFXの取引に慣れるためにも最低取引単位が小さいFX口座で少額から始めてみるのがよいでしょう。ただし、レバレッジが大きいほど、ポジションを保有するために必要な証拠金を割り込むスピードがはやくなり、わずかな損失で追証や強制ロスカットになる可能性が高まります。投資資金に余裕を持って、無理のないレバレッジで取引することが大切です。
口座開設の流れ
1.口座開設の申し込み
Web(またはスマートフォン)で口座開設を申し込み、契約締結前交付書面の内容を確認後、登録フォームに必要事項を入力します。
2.本人確認書類+マイナンバー確認書類を送付
本人確認書類とマイナンバー確認書類を「アップロード」「メール添付」「郵送」のいずれかの方法で送付します。本人確認書類到着後、口座開設の審査が開始されます。
3.口座開設完了の通知
審査終了後、本人宛に口座開設完了の通知と、取引する際に必要なID・パスワードが記載された書類が郵送で届きます。送られてきたID・パスワードでログインし、口座に入金すればすぐに取引が開始できます。
申し込みから口座開設完了までにかかる日数は2〜3営業日で、申し込み翌日に口座開設が完了するFX会社もあります。またFXの口座開設に合わせてネットバンキングの口座も開設しておけば、FXの口座に入金した金額が即時に反映される「クイック入金サービス」が利用可能で、手数料もかからないため便利です。
始めるときに最低限知っておきたい基本知識
FXの基本

レバレッジ
レバレッジとは、少ない資金を元手に大きな金額の取引を可能にする仕組みのことです。レバレッジの「レバー(lever)」は「テコ」のことで、テコの原理のように少額の証拠金でより大きな金額の取引が可能になることから、レバレッジという言葉が使われています。レバレッジは、以下の計算式で算出されます。
レバレッジ=(通貨のレート×ポジション数量)÷ 口座にある資金
たとえば、1ドル=100円のとき、100万円の口座資金に対して100,000ドルのポジションを保有している場合、
100,000ドル × 100円 ÷ 100万円 = 10倍
つまり、レバレッジは10倍となります。100万円の証拠金でドルをレバレッジ10倍で取引した場合の取引金額は10万ドルとなり、レバレッジ25倍で取引した場合の取引金額は25万ドルとなります。もし為替相場が1円円安(101円)、あるいは1円円高(99円)になった場合、為替差損益は以下のようになります。
取引金額 | 1円円安になった場合の損益 | 1円円高になった場合の損益 | |
---|---|---|---|
レバレッジ1倍 | 1万ドル | 10,000円 | -10,000円 |
レバレッジ10倍 | 10万ドル | 100,000円 | -100,000円 |
レバレッジ25倍 | 25万ドル | 250,000円 | -250,000円 |
為替相場が±1円動くと、レバレッジ10倍では10万円の損益が発生し、レバレッジ25倍では25万円の損益が発生します。
レバレッジは、少ない元手で大きな金額の取引ができる半面、相場が予想と違う方向に動いた場合、大きな損失となる可能性があります。FX初心者は、売買に慣れるまでは倍率を1〜10倍など、低く設定するのが望ましいでしょう。
スプレッド
スプレッドとは、「売値(Bid)」と「買値(Ask)」の差(幅)のことです。たとえば、よくニュースなどで「現在の外国為替市場は、1ドル110円90銭から95銭の間で取引されています」と報じられますが、これは1ドルを買うときの値段が110円95銭で、売るときの値段が110円90銭という意味で、差額の5銭がスプレッドです。
FX取引も同様で、取引画面に「「売値(Bid)100.000」「買値(Ask)100.003」と表示されている場合、スプレッドは0.3銭(=0.3pips)です。スプレッドはFX会社にとっては利益となりますが、投資家にとっては取引ごとにかかるコストになります。FX会社によってスプレッド幅は異なりますので、なるべくスプレッド幅の狭いFX会社を選びましょう。
スワップポイント
スワップポイントとは、FX取引で通貨を交換する際に生じる金利差の調整額のことです。取引する通貨ペアの国の金利差がスワップポイントになり、日本円のような低金利国の通貨を売って、トルコリラや南アフリカランドなどの高金利国の通貨を買えば、その差額をスワップポイントとして付与されます。逆に高金利国の通貨を売って低金利国の通貨を買った場合、スワップポイントを支払わなければなりません。
スワップポイントは、原則としてポジションを保有し続けると毎日付与されますが、実際のスワップポイントの金額や付与される時間帯はFX会社によって異なります。レバレッジをかけて取引通貨数を増やせば受け取れるスワップポイントも増えますが、その分だけ為替変動によるリスクも高まり、これまで付与されたスワップポイントの利益が吹き飛ぶほどの為替差損が発生する可能性もあります。
デモトレード
デモトレードは、仮想マネーを使って取引が体験できるシステムです。仮想マネーを使うため、取引で利益が出ても資金が増えるわけではありませんが、損失を出しても資金は減りませんので、ゲーム感覚で取引の練習ができます。また、リアルの口座とは別のサーバを使い、実際の外国為替市場には発注しませんが、為替レートやトレードツールなど、実際のシステムとほぼ同じ環境で取引できます。
デモトレードの申し込みや口座開設の費用は無料で、口座開設前から利用できます。取引を始める前に慣れておきたいFX初心者は積極的に利用してみましょう。
トレードスタイル

基本(順張りと逆張り)
順張りとは、相場の上昇局面で買い、下落局面で売るという「相場の動きに合わせて売買する」取引手法です。相場の流れに沿って(トレンドに乗って)売買することから、「トレンドフォロー」とも呼ばれます。
相場が一定の方向に継続して動き、トレンドが続いているときに効果を発揮し、トレンドが長く続けば続くほど利益が大きくなりますが、「高値掴み」や「安値売り」になりやすく、相場に明確なトレンドが発生しない状態が続けば、いつまでたっても利益が出ません。
逆張りとは、相場の下落局面で買い、上昇局面で売る「相場の方向と逆の売買をする」取引手法です。相場の流れとは逆の売買をすることから「カウンタートレード」とも呼ばれます。
相場がある一定のレンジで行ったり来たりしているときに効果を発揮し、うまくトレンド転換をとらえれば大きな利益が見込めますが、トレンドの転換をピンポイントで当てるのは難しく、相場が反転せずにそのまま一方向に進めば損失が拡大する可能性があります。
スキャルピング
スキャルピングとは、小さな利幅を狙って数秒から数分の間で売買を繰り返し、利益を積み重ねていく取引手法です。スキャルピング(=Scalping)のScalpには「頭皮・頭皮を剥ぐ」という意味があり、頭皮のような薄い皮を剥ぐように数十回〜100回以上エントリーし(ポジションを持ち)、1回の取引で3〜10pips程度の利益を狙います。
数秒から数分であれば、相場は一方向に動くことが多く、利益となる確率は高くなりますが、何度もエントリーするためスプレッドコストがかかり、わずかなチャンスを逃さない一瞬の判断力と反射神経が必要です。
デイトレード
デイトレードとは、注文から決済までを1日のうちで完結させ、ポジションを翌日に持ち越さない取引手法です。「日計り取引」とも呼ばれ、数十回〜100回ぐらいエントリーし、1回の取引で10〜100pips程度の利益を狙います。
長期間ポジションを保有しないため、相場の大きな変動の影響をほとんど受けませんが、1日のうちに何度も取引するため、相場が開いている時間は常にモニターに張り付いて株価の値動きを監視しなければなりません。
「FXデイトレードの正しい手法と注意点」では、デイトレードの正しい手法や分析方法、注意点などを詳しく紹介しています。
スイングトレード
スイングトレードとは、数日から数週間ポジションを保有し、相場のトレンドに乗って値幅を取る取引手法です。相場のトレンドを波になぞらえて、「波に乗る(=Swing)」ように数回〜数十回エントリーし、1回の取引で100pips程度の利益を狙います。
中期スパンでポジションを保有するため、日々の値動きを気にする必要がなく、1日中相場を見ることができないサラリーマンや主婦でも取引できますが、相場の急な変動に対応しにくく、想定外のニュースなどで大きく相場が動いた場合、損失が膨らむ可能性があります。
「FXスイングトレードの基本を解説」でスイングトレードの正しい始め方や気を付けたいポイントなどについて詳しく解説しています。
ポジショントレード
ポジショントレードとは、数か月から数年にかけてポジションを保有し、長期間で大きなリターンを狙う取引手法です。1年の間で数回エントリーし、1回の取引で100〜1,000pipsぐらいの利益を狙います。
スイングトレードよりもポジションの保有期間が長く、相場が予想どおりに動けば利幅は大きくなり、取引の頻度も少ないためスプレッドコストも抑えられます。ただし、結果が出るまでに時間がかかり、相場の大きなトレンドを読むテクニカルの知識やファンダメンタルズの知識が必要です。
「FXの長期投資(ポジショントレード)の基本と注意点」では通貨ペアの選び方や取引のコツ、気を付けておきたいポイントなどを紹介しています。
自動売買(システムトレード)
自動売買(システムトレード)とは、あらかじめ決められたルールに基づいてシステムで自動的にトレードする取引手法です。
システムで自動的に売買するため、取引に人間の「欲」や「願望」などの感情が影響することもなく、利食いや損切りの失敗によるストレスもありません。
「ストラテジー」と呼ばれる売買プログラムを選ぶだけで簡単に始めることができ、数百種類のストラテジーから複数選んで同時に稼働させたり、自分だけのオリジナルストラテジーを開発したりすることも可能です。
自動売買で取引しても100%勝てるわけではありませんが、ストラテジーを選んだ後は何もしなくてもシステムが自動的に売買してくれるため、FX取引の経験がない初心者でもすぐに始められて、長く取引を続けられます。
注文方法

成行注文
成行注文とは、「買値(Ask)」や「売値(Bid)」を指定せず、現在のレートで取引したい場合に使う注文方法です。
「プライスオーダー」や「ストリーミング」とも呼ばれ、発注すれば確実に約定するため売買の成立が早く、タイミングを見計らって発注できますが、相場が大きく動いている場合、提示されているレートからズレて想定外の価格で約定することがあります。
このレートのズレを「スリッページ」といいますが、スリッページを防ぐために、あらかじめ許容値幅を指定して発注することもできます。
指値注文
指値注文とは、「買値(Ask)」や「売値(Bid)」を指定して発注する注文方法です。
「リミットオーダー」とも呼ばれ、たとえば現在の相場が1ドル=109円から110円近辺で推移している場合、107円で買い指値注文を発注すると、1ドル=107円以下になったタイミングでのみ約定します。
価格を指定して発注するため、想定より高い価格で買い注文が約定したり、低い価格で売り注文が約定したりすることがなく、相場の動きを見ながら時間をかけて発注できます。しかし、指定した価格に到達せず、利益のチャンスを逃してしまう可能性があります。
逆指値注文
逆指値注文とは、通常の指値注文とは逆に「指定した価格以上になったら買う」「指定した価格以下になったら売る」という注文を自動的に発注する注文方法です。
「ストップオーダー」とも呼ばれ、相場のトレンドが転換した(しそう)なときにそのトレンドの初動に乗るために注文したり、相場が自分の思惑と逆方向に動いた場合に損失を抑えたりする(またはあらかじめ損失を限定する)ために使います。
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