FXのファンダメンタル分析とは?どんな指標を注視する?

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2014年7月29日掲載

入門ガイド

FXのファンダメンタル分析とは?どんな指標を注視する?

FX市場の分析には大きく分けてファンダメンタル分析とテクニカル分析がありますが、FXにおけるファンダメンタル分析とは、どのようなものが含まれるのでしょうか。山中康司先生が詳しく解説します。

FXにおけるファンダメンタル分析とは?

株式市場において、狭義には株価を判断するためその会社の財務分析を中心に、それが現在の株価とどのような関係にあるのかを分析すること(PER、PBRの分析)、広義にはその会社が属する業種自体の分析というところまでがファンダメンタル分析になります。

FXの場合、一般的にファンダメンタル分析というと、為替レート(2国間の通貨交換レート)を判断するため、2国の様々な事柄を分析することとなります。その材料としてはマクロな部分ではそれぞれの国の為替政策、経済政策、政治、ミクロには各種経済指標といったところですが、ニュース、要人発言といったものまでFXのファンダメンタル分析はかなり広範なものとなっています。人によっては「テクニカル分析以外の全てがファンダメンタル分析である」と言うくらいです。

金融政策、経済指標を注視して分析するのがFXのファンダメンタル

最初に、大きな傾向を考えるため、通貨ペアとその2国の全体像を知るためのデータを確認します。経済規模はGDPや主要な経済指標で知ることが出来ますし、金利水準は資金の移動(流入、流出)を知るために重要です。ギリシャ危機以降は、国の安定度も無視できませんので、政治的な安定度だけでなくソブリン格付けも気にしなくてはなりません。ただ、こうした事柄は誰が分析しても同様の結果となるため、新聞やニュースをチェックしていれば大きく外すようなことにはなりません。

ファンダメンタルの要素 金融政策 要人発言
政治の動き
FOMC
経済指標 GDP 金利水準
雇用統計 貿易収支
通貨供給量 ソブリン格付け

次に、日々の値動きを判断するための事項ですが、基本的には上記と同じです。よりわかりやすくするため、いくつかのカテゴリーに分けより細かく見ていきましょう。

政策が日々のニュースでは最も大事!

日々のニュースの中で最も重要なものがあるとするならば、「通貨政策」に直接影響を及ぼすようなものです。スイス中銀による対ユーロでの1.20絶対防衛、そしてその後の介入といったニュースは、その後のユーロスイスの値動きに多大な影響を与えました。同様に金融政策変更に関するものも重要です。5月以降、米国の金融緩和縮小に関して市場参加者はFOMC結果公表や雇用統計発表のたびに一喜一憂しています。実際に緩和縮小が始まるまで思惑で上下する流れは終わりそうもありません。

そして、こうした通貨政策、金融政策変更の材料となる各種経済指標が次に重要な材料となります。特に基軸通貨である米国の経済指標、その中でもその時代に最も重要視されているテーマが注目されます。現在では、それが雇用統計ということになりますが、遡ると貿易収支、通貨供給量という時代もありました。この経済指標はある意味で曲者です。というのも実際の数字がどうであるというよりも、エコノミストやストラテジストが予想するコンセンサスに対して良いか悪いかが短期的には材料視されるからです。不思議なもので重要な指標(例えば米国雇用統計)ほど、コンセンサスからずれる傾向が強いようです。

需要と供給も気にすべし!

また、ファンダメンタルとは厳密には異なりますが、需給も大きな材料です。長期的なものでは資本収支や貿易収支といったものがあり、我が国では2011年から貿易収支が赤字になりましたが、為替では当然円安にバイアスがかかりやすくなります。短期的なものでは主にヘッジファンドによる円キャリートレード(低金利の円を借りて、利回りの良い対象に投資すること)も為替に影響を与えるため、シカゴ通貨先物の非商業部門取組高は多くの人が参考にしています。

他にも為替は多くの他市場の影響を受けますので、株式市場や商品市場にも目を向ける必要があります。現状では市場全体がリスクに対して警戒しなくなるリスクオンの状態では日経平均株価が上昇しユーロ円も上昇するといった動きが見られます。見るべきポイントが多く悩んでしまうかもしれませんが、基本は影響を与える期間がより長いものから短いものへと見ていき、今はどのような状態にあるのかを判断することが肝要となります。ファンダメンタルも次回解説するテクニカルもまず森を見てから、木を見るという流れで進めれば大きく見誤ることはかなり減ってくるはずです。

山中康司氏
山中康司氏
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジテント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析とアストロを組み合わせた独自の為替予測を行ない、各社にレポートを配信。セミナー講師やコンサルティング等もつとめている。
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