ストキャスティクスとMACDの見方・使い方

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2014年10月3日掲載

コラム

ストキャスティクスとMACDの見方・使い方

ストキャスティクスとMACDの使い方 今回はFXのオシレータ系指標の中でも、人気の高いストキャスティクスとMACDについて扱います。

ストキャスティクスの考え方とは

ストキャスティクスは、ジョージ・レイン氏によって開発されたオシレータ系指標で、RSIを発展させ一定計算期間におけるレンジ(高値・安値)も考慮した指標です。簡単に言うと、一定期間の最高値と最安値を基準に終値がどの位置にあるかを数値化したものとなっており、最も基本となる%Kは「(終値−期間安値)÷(期間高値−期間安値)×100」で計算されます。この%Kの計算式はその後開発される多くのテクニカル指標に影響を与え、%が付くテクニカル指標は、だいたいこのストキャスティクスの計算式を用いていると言えます。

ストキャスティクスは、%Kの平均値である%D、%Dの平均値であるSlow%Dの3つのラインで示されますが、一般的に%Kと%Dを組み合わせたFastストキャスティクス、%DとSlow%Dを組み合わせたSlowストキャスティクス、の2本のラインのみを表示するケースが多く、特に後者のSlowストキャスティクスのユーザーが多いと言えます。まず、このSlowストキャスティクスのチャートをご覧ください。

Slowストキャスティクスのチャート

ストキャスティクスを分析するときのコツ

上記はドル円日足にMT4に標準で入っているストキャスティクス(Stochastic Oscillator)を表示したものです。青い線が%D、赤い点線がSlow%Dとなります。パラメータは標準設定のままとしましたので、買われ過ぎが80%、売られ過ぎが20%として水準表示されています。このSlowストキャスティクスの主な見方としては以下のようなものがあります。(Fastストキャスティクスも見方は同じです。)

(1)%Dの1本のラインのみで買われ過ぎ、売られ過ぎを判断する。
これは前回のRSIと同様に「ゾーン・エグジット」を買われ過ぎ、売られ過ぎのポイントとして考えます。
(2)%DとSlow%Dを2本の移動平均線のように考え、%DがSlow%Dを上抜けたらゴールデンクロス(GC)で買い、%DがSlow%Dを下抜けたらデッドクロス(DC)で売り。
全てのGC、DCを見ることもありますが、通常はフィルターをかけて「売られ過ぎゾーンにおけるGC」、「買われ過ぎゾーンにおけるDC」のみを見ることが多いです。
(3)ダイバージェンス
ダイバージェンスとは、価格の動きとオシレータ系チャート(ここでは%D)の動きの乖離を言いますが、いわゆるダイバージェンスと、隠れたダイバージェンスの2つがあります。
ダイバージェンス:価格が以前の安値よりも安い安値を付けたのに対し、%Dはより高い数値を付けた時に買い。価格が以前の高値よりも高い高値を付けたのに対し、%Dがより低い数値を付けた時は売り。
隠れたダイバージェンス:価格が以前の安値よりも高い安値を付けたのに対し、%Dがより低い数値を付けた時に買い。価格が以前の高値よりも安い高値を付けたのに対し、%Dがより高い数値を付けた時は売り。

値動きとストキャスが異なる動きをするダイバージェンス

文章で書くとわかりにくく、またこうした分け方よりも買いのダイバージェンスと売りのダイバージェンスという分け方のほうがわかりやすいため、次の図を使って説明します。

ダイバージェンスの簡略図

上側が価格、下側が%Dを模式化した図です。左側から順に買いのダイバージェンス2パターン、売りのダイバージェンス2パターンとなっています。ダイバージェンスを見つけるコツは、買いのダイバージェンスであれば価格にも%Dにもサポートラインを引き、売りのダイバージェンスであれば価格にも%Dにもレジスタンスラインを引くことですが、最初にラインを引くのは%Dです。%Dのサポートであれば2つの谷を探し、レジスタンスであれば2つの山を探します。次に%Dのラインに対応する価格のラインを引いてみて、方向が異なっていればダイバージェンスとなります。その際、価格のラインを引いた際に間のローソク足を横切るようなことがあっても無視して構いません。

下のチャートは豪ドルドルの4時間足チャートですが、左側が売りのダイバージェンス、右側が買いのダイバージェンスとなっていて、それぞれ売りと買いのポイントを示しています。ダイバージェンス自体があまり起きない現象ですが、ダイバージェンスを見つけた時は調整が入りやすいので気を付けてください。

ダイバージェンスのイメージ

指標の指標

指標の指標(Indicator of an Indicator)とは、テクニカル指標のテクニカル指標で、最も有名なものにMACDがあります。MACDは短期指数平滑移動平均−長期指数平滑移動平均で計算され、MACDシグナルは、MACDの移動平均です。

ユーロドル4時間足に一般的なパラメータのMACD(12期間、26期間)をピンクで、シグナル(9期間)を黄緑で表示したチャートをご覧ください。2本の指数平滑移動平均も一緒に表示してありますので、MACDが0ラインにある時が2本の指数平滑移動平均がクロスしているポイントということがわかると思います。

MACDのイメージ

MACDの見方にもいくつかの考え方がありますが、ここでは代表的な見方を3つほど上げておくことにします。

  • (1)MACDとシグナルのGCで買い、DCで売り 「クロス」
  • (2)MACDの0ラインの上抜けで買い、下抜けで売り 「0ライン」
     *これは指数平滑移動平均どうしのGC、DCと同じこと
  • (3)MACDシグナルが上向きに転じたら買い、下向きに転じたら売り 「傾き」

他にもMACDが0ラインの上か、下かといったフィルターをかけることで、より多くの読み方が出来ますが、MACDをはじめとする複数のラインを表示するオシレータ系指標の基本的な考え方として上記3つ(ラインどうしのクロス、0ラインとのクロス、傾きの変化)を覚えておけば、あとはバリエーションとなりますので、それほど難しくはありません。

MT4では指標の指標を簡単に出すことが出来ます(適用価格をPrevious Indicator's Data=直前に出した指標とすれば良い)ので、RSIの買われ過ぎ、売られ過ぎの水準を動的に変化させたRSIボリンジャーなども標準で表示可能です。(下のチャートはユーロドル4時間足)

MT4での指標の指標の表示

山中康司氏
山中康司氏
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジテント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析とアストロを組み合わせた独自の為替予測を行ない、各社にレポートを配信。セミナー講師やコンサルティング等もつとめている。
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