RCIとDMIの見方・使い方

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2014年10月16日掲載

コラム

RCIとDMIの見方・使い方

オシレーター系指標でトレンドの勢いと過熱を見る オシレータ系指標は今回で一区切りとなりますが、他とは異なった視点によるテクニカル指標としてRCIとDMIを紹介します。

RCIの基本の使い方

RCI(Rank Correlation Index)は、順位相関係数(スピアマンの順位相関係数)と呼ばれ、一定期間における日付の順位と価格の順位を決定し、その相関を±100%(−1〜+1)の数値として表示する指標です。日足9期間のRCIを例に取ると、日付の順位は前日を1位に9日前を9位とする順位で、価格の順位は最高値を1位に最安値を9位とする順位です。細かい計算はここでは説明を省きますが、それぞれの順位の相関からトレンドの勢いと過熱感を測る指標です。

ユーロドル日足に2本のRCIを表示したチャートをご覧ください。

ユーロドル日足に2本のRCIを表示したチャート

通常、RCIは2本(短期、長期)もしくは3本(短期、中期、長期)を表示させ、その関係からトレンドの勢いと過熱感を測りますが、3本表示も基本は2本表示と同じですから、ここでは2本のRCIを使ったチャートで説明を行います。ここでは短期を9日(青)、長期を26日(赤)として表示してあります。
 *MT4ではRCIは標準指標にはありませんので「SpearmanRankCorrelation」というカスタム指標をダウンロードして使うこととなります。

まず、RCIの意味するところは、0 〜 +100%=上昇トレンド、0 〜 −100%=下降トレンド、±100%に近いほど過熱しており反転が近いと考えます。

上のチャートでは、短期と長期の2本のRCIが示されていますが、短期9期間のRCIを見ると比較的頻繁に±100%に位置していますが、RCIでもRSIのゾーン・エグジットの考え方と同じく±90〜95%からの方向転換をもってトレンドの変化と考えると良いでしょう。また、±100%には届かない場合、+圏における方向転換は戻しの終了、−圏における方向転換は押しの終了と見ることになります。

RCIの見方とは

次に、2本のRCIの見方です。

2本のRCIでは、2本の移動平均線と同様に短期RCIと長期RCIのゴールデンクロス(GC)を買いサイン、デッドクロス(DC)を売りサインと見ますが、スローストキャスティクスのクロスでフィルターをかけたように、GCは−100% 〜 −50%で起きたGCのみを、DCは+50% 〜 +100%で起きたDCのみをそれぞれ売買シグナルと見ることが一般的です。先のチャートをもう一度見ていただくと、GC、DCの内、ピンクで囲ったクロスが相当します。

なお、RCI系の指標は、どちらかというと種類が少ないのですが、他ではAroonというテクニカル指標が比較的人気のある指標です。

勢いを見るテクニカル分析DMI

DMI(Directional Movement Index)は、ワイルダー氏が考案したテクニカル指標で、前日のレンジと当日のレンジを比較し、上下どちらにずれているのかを基準に、通常14期間における動きを+DI、−DIという強弱の指標として、またそれらの差から求められるADXをトレンドの勢いと過熱を示す指標として用います。

先ほどと同じユーロドル日足にDMI(MT4ではAverage Directional Movement Index=ADX)を表示します。

ユーロドル日足にDMIを表示したチャート

緑の線が+DI、赤の線が−DI、青の線がADXですが、MT4ではこのADXを重視し指標のリストでもADXという表示になっています。まず+DIと−DIの見方は以下の通りです。

  • +DI > −DI ・・・上昇トレンド
  • +DI < −DI ・・・下降トレンド

チャートでは、緑の線が赤い線よりも上にあれば上昇トレンド、赤い線が緑の線よりも上にあれば下降トレンドを示します。またADXはトレンドの勢いを示しますので、ADXが+DI、−DIよりも上にある状態であれば安定したトレンドであると判断します。

  • ADX >+DI >−DI ・・・安定した上昇トレンド
  • ADX >−DI >+DI ・・・安定した下降トレンド

ここで今一度ADXにのみ着目してください。ADXはトレンドの勢いと過熱を示しますのでADXが上昇していればトレンドが発生していると考えられ、逆にADXが下降していればトレンドを失っている、つまりもみあいと考えることが出来ます。

  • ADXが上昇 ・・・トレンドがある(60を超えると過熱)
  • ADXが下降 ・・・トレンドが無い=もみあい

先のチャートでもADX(青い線)が下降している時には、方向性が失われもみあいの局面が多いことがおわかりいただけると思います。

このADXを他のテクニカル指標と組み合わせて利用することは効果的で、トレンド系のテクニカル指標ではADXの上昇をフィルターに、いわゆるオシレータ系(もみあい)のテクニカル指標ではADXの下降をフィルターにして使うと、売買シグナルの確度が高くなります。

山中康司氏
山中康司氏
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジテント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析とアストロを組み合わせた独自の為替予測を行ない、各社にレポートを配信。セミナー講師やコンサルティング等もつとめている。
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