- 取材協力 川合 美智子(かわい・みちこ)
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旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)在勤の1980年より若林栄四の下で罫線分析を研究、習熟する。同行でカスタマー・ディーラーとして活躍した後、1989年より在日外銀でカスタマー・ディーラーとして、また、外国為替ストラテジストとして抜群の人気を博す。罫線分析を基にした為替相場コメントには定評がある。現在、(株)ワカバヤシ エフエックス アソシエイツの代表取締役 兼 外国為替ストラテジスト。
第6章FXはどこで、どうやって取引するの?
FX会社に口座開設すれば取引ができる
さて、ここまではFXの基本的な概念を紹介してきましたが、「世界を相手に」とは言うものの、いったいどんな場所で取引がおこなわれているのでしょうか?
「基本的に外国為替市場には株式における証券取引所のような物理的な取引場所は存在せず、金融機関のみがネットワーク上でやりとりする銀行間の市場(インターバンク市場)でおこなわれています。
そして、インターバンク市場に参加しているそれぞれの銀行を介してのみ、法人や投資家、FX業者はFX取引をおこなうことができます(対顧客市場)。
これらの取引は、基本的には電話やネット回線などを利用するバーチャル市場です。そして、FXに参加したい個人投資家は、このバーチャル市場と個人投資家を仲介してくれるFX会社に口座を開設すれば、いつからでも、誰でもFX取引をおこなうことができます」(川合さん)
FX会社に口座開設をするだけで、個人でも簡単に外国為替市場に参加できる
注文までの流れ
FX会社で口座開設
FXをおこなうには、FX会社で口座を開くことが必須。基本的には口座開設に必要な書類は、本人確認書類のみ。口座を開設したいFX会社を決めたら、必須事項を記入し、本人確認書類を業者に送れば、最短で翌日には口座を開設することができます。
資金を入金
口座の開設が終わったら、すぐに取引を始めることができます。取引をする前に口座に資金を入金。ネットバンクからのクイック入金に対応しているFX会社ではネットを通じて資金を口座に入金でき、すぐに取引することができます。
FX会社を通じれば、銀行間を行っているインターバンク市場。世界のマーケットに手軽にアクセスできるのがFXの醍醐味のひとつではあります。
新規注文、ポジションを保有
各社のFX取引サービスでは、チャートや取引画面など、様々な場面から注文ができるようになっており、注文の際には取引数量といくらで売買するのかを選べば、発注が完了します。注文が通れば、自分が持っているポジションの様子は管理画面から見ることができます。
決済注文、損益確定
ポジションを持っただけでは損益にはならないので、状況を見て反対売買で決済をしましょう。含み益が乗っていれば晴れて利益確定。含み損が出ている際に決済をしてしまうと確定損となり、いわゆる「損切り」という行為になります。
なお、昨今はパソコンだけでなく、スマホアプリなどからも取引ができるFX会社が増えているため、スキマ時間にも取引をおこなうことができます。こうしたスマホアプリなどのツールも上手に使うことで、より収益チャンスの拡大やスムーズなFX取引をおこなうことができるでしょう。
取引所FX
FXサービスが始まった2000年代前半の頃は取引を規制する法律や監督官庁が定められていなかったため、一部の悪質なFX会社によって勧誘行為や証拠金の扱いに関するトラブルが頻発していました。
そこで、個人投資家も安心して取引に参加できるFX市場へのニーズから東京金融取引所によって開設された取引所FX、愛称「くりっく365」です。取引所FXの取引はFX会社を仲介し、実際の取引は取引所で行われます。これに対して、投資家とFX会社が直接取引するFXは、店頭FXと言われます。
取引所FXと店頭FXの違いついてですが、かっては、取引所FXであるため分離課税による申告が認められ、税率は一律20%に抑えられるという、税制面でメリットがありました。しかし、2012年1月からは、店頭FX含めた全てのFXに分離課税が認められる税制改正が行われため、現状ではこのメリットはなくなっています。
また、取引できる主要な通貨ペアに関しては、取引所FXも店頭FXでもほぼ変わりがありませんが、手数料やスワップポイントについては違いがありますので、サービスを検討する際にはしっかり比較しましょう。
FXをすぐにはじめたい場合は、FX口座を比較してみましょう!
